エロティック・ジャポン

写真1なつきも紹介していただいてるアニエス・ジアールさんの日本のアングラ文化紹介本'L'Imaginaire Erotique au Japon'、去年の12月に邦訳本がでてるのを知って買い求めてみた。原書は図版がオールカラーだったけど、こちらの邦訳本は図版がモノクロ・縮小版のうえ、図版数もかなり削られてるので資料的価値はかなり落ちる。日本人にとっては「日本語で読める」ってのが唯一のメリットといってもいい。

なつきが知る限り、アマチュア美少女着ぐるみについて言及しているおそらく世界で唯一の「書籍」だけに、図版がカラーじゃないのはかなり残念。未読の方は、できればまず原書を手に入れてごらんになることをおすすめしたい。フランス語読めなくても、図版眺めてるだけでもヤック・デカルチャーなので。

着ぐるみ愛好者の目的は、自分自身の理想の恋人に変身すること。つまり、非現実的なセルロイドの女の子キャラになりきるということだ。着ぐるみファンのサイトのフォーラムでは、「私にとって着ぐるみというのは、男が女に変身すること」と書き込んでいる人もいる。しかし、それは誤りだ。実際には、<女>になるのではなく<アニメの女の子>になるのだ。つまり着ぐるみ愛好家たちは、性を越境するだけでなく、現実をも越境しているのだ。自分の何もかもを、理想上の人物に、視聴覚番組の理想的な異性キャラクターに、すり替えるのだ。(第7章 異性装と変身)

「理想の恋人」がアニメキャラだったというと、痛すぎるだろうか。アニメキャラ―――というか、いわゆるマンガ絵とか萌え絵に代表されるような作画上の様式美―――に親しみを感じられる私たちの世代にとっては、アニメキャラにあこがれることは自然なことだと思う。「顔を隠して異性になりきる」ことを実現するのに、フィメールマスクやカットマネキンではなくアニメマスクを選んだこともまた、しかり。

ただ、はじめから我々が「現実をも越境」、つまり、二次元の存在を我々の世界に現出せしめようとしていたのではなくて、手段として選んだ着ぐるみマスクが偶然そのようなポテンシャルを秘めていた、というほうが、より事実に近い。本人としては欲望のままやりたいことをやっていたら、たまたまうまくいっただけにすぎないのです。

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